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STUDIO★(・Σ・)の雑記帳ブログで御座いますよ。
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昨日更新忘れてましたよ。

相変わらず、なんのこっちゃな方は01からどうぞ!

そうそう、「なんでそんな結論に至るんだ!」って思われると思います。
自分も多分、台詞を言わせたかっただけなんだと思います。
ご容赦下さい。

とうとうあの男も登場しますよ!

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 …とりあえず、仕入れられる情報はこの辺り、か。
「指紋に、ダイイングメッセージ。かなり、怪しいですな」
 裁判長はかなり心証が傾いている様だな。無理もないが。
「この証言者の証言は此処までとしましょう」
「ふっふっふ!我勢堂弁護士!今日こそ、貴方に引導を渡しますよ!」
 ……俺に引導を渡すのか。被告人じゃなくて。
「次の証人を入廷させて下さい!目撃者の荷背田正義(ニセダマサヨシ)を!」


(中略。
 如何にも怪しい目撃者の矛盾を暴いていく内に、
 荷背田が現場の加工を色嶋に依頼した疑いが出てくる。
 この辺りは面倒なので割愛しました)

「現場の加工を色嶋に依頼したのならば色嶋の指紋が、随所に残っていても可笑しくはない。
 此奴は、 此処で殺人があったと知らずに、依頼を達成しようとした !!」
「ぐ、ぐぅぅぅう!!」
「この目撃者は極めて怪しい。
 部屋に入っていないと言った割に、死体の情報には詳しすぎる。
 さらに、被害者の利き手の問題もある。
 この利き手の問題は、色嶋が犯人であれば間違える筈が無い!
 更に、死亡推定時刻と止まった腕時計の時刻は一致しているにも関わらず、
 通報に至るまではタイムラグがある。
 …この目撃者を、信用するのか?いや、そんなレベルの話じゃないだろう?」

 嗚呼、いいな。亜内検事。いい顔で悔しがってくれるじゃないか。
 だから、貴様は詰めが甘い――…


「――異議あり」

 ――誰だ、この声は。今まで、聞いていない声だぞ。

「あ!こ、コラ!何を勝手に!!」

 手を挙げているのは――亜内検事の隣に座っていた、彼奴、だ。

「今日は見学だけの筈です!」
「ええ、確かに本日は勉学の為に居ましたが――その、一つだけ。
 ただ、一つだけ、お許し下さい。亜内様」

 立ち上がると、長身だ。長髪の男は、微笑みを此方に向けてきた。
 ――憎悪も、敵意も、親しみも何もない笑みってのは、不気味だな。

「此は神の判断。此処に真実を完全に明らかにする為の、重要な欠片」
「聞こうか。検事殿」

 キレイな顔をしやがって。
 今日一番の嫌な予感っていうのを感じるんだ。貴様からは。

「弁護士様。
 貴方の話を纏めますと、この目撃者様が被告人に現場の加工を命ぜられた。
 つまり、目撃者様こそが犯人であると言いたげな口振りですが
 ――… その証拠は、何処にあるのでしょう?」
「……証拠、だと」
「ええ。「現場加工の依頼人が居る」という証拠です」

 此奴――…気が付いて、やがったか。

「どうやら被告人は、あまり良い行いの人間とは言い難いようです。
 なれば――あたかも、「現場の加工を依頼された」かのように、
 わざと己に容疑が向くようにした 可能性があります」
「その、利点は何だ?」
「勿論、今のこの状況ですとも。
 決定的な証拠が無く、現場には加工された痕跡がある。
 「現場に加工を依頼した人間」がいる。
 その人物が「犯人である」と思われている現在の状況を作る為に、
 被告人はわざと、 現場を加工した可能性 があるのです」

 首に提げていたロザリオに、慣れた手つきで唇を寄せる。
 先刻「神の判断」とか言ってたな。大層な宗教家か?

「ふ…ふっふっふ…!成る程!さ、流石ですな!」
「“現場を加工した人間がいる”…その証拠がない限り、被告人の疑いは晴れない。
 極めて、この目撃者様が疑わしくとも、その「真実」は変わらないのです」

 左頬にある傷跡を歪めて、一層微笑んだ後、その検事は

「私が唱えるべき異議は以上です。出過ぎた真似を致しました。失礼、致します」

 ――再び亜内検事の隣に座った。
 出過ぎた真似?とんでもない。
 この異議を唱えるなら、このタイミングしかなかった。
 逃せば、無罪は決まっただろう。
 亜内検事なら気が付かなかっただろう点に気が付き、絶好のタイミングで異議の申し立てとは、

「…厄介だな」
「ちょ、我勢堂サン!」

 随分と心配そうな顔をしてくれるじゃないか。
 貴様のしでかした余計な諸々の所為で、こっちは何度窮地に立たされたことか。
 だが、お陰で分かったことがある。

 此奴は無罪だ。

「安心しろ。色嶋――穴は分かってた。誰かが指摘するなら、其処しかないと。
 だが、発想を逆転させてみろ。
 その穴さえを埋まってしまえば、逆に其れは決定的な証拠になるってことだ」

 ――何故だ。久しぶりの感覚だな。心が高揚するようだ。
 剃刀を当てられているような、鋭い緊張感。
 一歩間違えば、奈落の底に居るような――…

「我勢堂サンったら、何を笑ってるんスか」
「楽しくて仕方がないのさ。久方ぶりにな。
 それに――逆境である時こそ、笑うべきだ」
「チミがポーカーやったら、強そうッスね。
 任せましたゼ?我勢堂弁護士サン」

 軽く笑うこの男に、俺の身にもなってみろ、と言ってやりたいな。


つづく
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